HN、しめさば  北海道在住の毒男。どーでもいいことをツラツラと書き連ねます。 ↑イラストはモリタケンゴ様提供 ありがとうございます。


by mackerel4me

拙者とグッピー

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古い画像ファイルの整理をしていたら
昔飼っていたグッピーの写真が出てきた。




当時、ブルーグラスという、まことに見事な青い尾鰭の品種がおって
雑誌で紹介されていたのだが、単純な私はすぐその美しさに感動し
是非、自分の水槽でも泳がせてみたいとお店に走った。
ところが何故か買って帰ったのはジャパンブルーという
ボディが青い品種の魚をぶら下げて帰っていたのであった。
それだけジャパンブルーという品種も魅力的であったのだが、
後日、改めてブルーグラスのペアを購入。
そのまま素直に別々に飼っておればよいものを
悪魔のささやきで
ジャパンブルーとブルーグラスを交配したら
全身ブルーのさぞかし美しい魚が出来上がるだろうと
ほくそえんだものである。

さて、目論見どおり青く綺麗なグッピーが私の水槽で誕生したかというと
そうはならなかった。
ジャパンブルーのボディを青くする表現は雄から雄へと受け継がれる
Y染色体にのっかった遺伝子なのでボティが青い雄は簡単に
量産出来るのだが、
ブルーグラスの青い尾鰭の遺伝子は劣勢ホモで揃わないと青く発色せず、
大半は元の品種である赤か黄色の細かいスポット模様になるのである。
(分かりやすく言うと
両親からもらう青い血がゾロ目にならないと青くならんのよ。)


また、グッピーを累代で美しく育てようとすれば、次代に残す種親の選別は
避けて通れず、たった1品種をそれなりに綺麗に維持して飼い続けるだけでも
種親用1つ、繁殖用1つ、育成用1つ、育った仔をオスメスに隔離する水槽二つ、
選別した次代の種親用1つと
それなりの数の水槽が必要だということが飼い始めてから分かったのである。

※当然、選別にもれた仔を無秩序に殖やし続けるわけにもいかので
どこかの段階で処分せねはならない。
処分の仕方は人によって様々であったようだ。
ブログという場で書くと叩かれそうだが、
肉食魚のエサにしたりするのは基本中の基本。
ブラックジョークだがグッピーブリーダーになる為の試練として
間引いた仔を手で捻りつぶせるようでないと一人前ではないと言われるほどだ。
選別もれの仔を収容する専用の水槽を設けるという方法が見かけ上、
一番穏やかであるが、どのみちすぐ収容数を飽和してしまうので
アウシュビッツ化するだけである。

結局のところ
家庭とお財布の都合で、必要にして十分な設備を整えられなかったが為、
代を重ねるごとに私の水槽のグッピーは買って来たときの美しいものから
ほど遠くなり、ついに繁殖させることを止めてしまうことになった。
残念なことだが、グッピーを飼っていた2年間は雑種を増やすことに
腐心していたこと以外のなにものでもないのである。
なんとも罰当たりこの上ない。
私が死んだら
たぶんあの世で間引いた魚たちの報復を受けるハメになるだろう。

だが、逆にこうも思うのである。
昔、子供の頃に叔母がやはりグッピーを飼っていたのだが
水槽は60センチのもの一つで、中では数代にわたって様々なグッピーが
混泳していたのだが、魚はナリこそ小さいものの、みな生き生きと泳いで
エサ食いも非常に旺盛だったのを覚えている。
翻って自分の飼育スタイルを見直したとき
そんな自由な余裕のある楽しみ方を無意識のうちに捨てていたのではないか。
美しい品種を買ったら、須らくコンテストレベルを維持していかないといけないような
堅苦しいことに自分を縛っていたのではないかと。
水槽が足りないなら足りないなりにもっと楽に楽しめばよかったのではないか。


日本のグッピー愛好家の大家である筒井良樹氏が3年も前に他界されていたことを
先日知った。
当時、この方のコラムやらを読んで飼育のコツや遺伝子レベルでの系統維持の
知識など、大変おおくの勉強をさせて頂いた。
また、余談として語られる世を皮肉った毒の要素が非常に魅力的でもあり
毎回掲載されるのを楽しみにしていたものだが
ここしばらくは雑誌等を読んでもお目にかからなかったので
たぶん、猥雑で低脳な世から遠ざかり、どこか人里離れた温室でこっそりと
新種の作出に没頭しておられるのだろうと見ていたのだが
本当に遠いところに行ってしまわれていたのは何ともいえない残念なことである。
月並みながら本当に惜しい人が亡くなってしまわれた。
遅まきながら氏のご冥福と感謝の意をこの場を借りて述べたいと思う。

ありがとうございました。楽しかったです。
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by mackerel4me | 2008-08-13 21:24 | アクア&グリーン